H7N9鳥インフルエンザ  information
新潟大学国際保健学教室では、H7N9の様々な情報のrumor surveillanceを行っております。
ALL JAPANで備える」の信条の下、当ブログを通じて皆様に情報がご提供できればと思います

H7N9感染者速報 vol.14

今回報道されました感染症例2例についてご紹介いたします。

 

【患者】

1.徐(男) 38歳 農民 浙江省杭州市 : 18日に発病。

 

2.張(男) 4歳 幼児 山東省棗庄市中区

 ≪来歴≫

  父親が山東省で初めて確認されたH7N9鳥インフルエンザ感染者である。

  4月27日に患児に発熱症状が出現し、28日に省級専門家組織が実験室検査の結果と

  臨床表現及び疫学的調査から総合判定してH7N9鳥インフルエンザとして確定診断

        された。現在、病状は安定しており、棗庄市の病院で治療を受けている。

  今のところ調査の結果と関係する研究の結論からは、ヒト-ヒト感染の根拠は提

        示されていない。

                    中国新聞ネット 2013-4-28 23:23】

 

これで中国国内の累計は、感染症例:126例、うち死亡:24例となっています。

 

山東省は感染症例が2例となりましたが、親子で感染があったため、ヒト-ヒト感染への危惧が再び出てきました。先日、中国の院士がヒト‐ヒト感染の可能性が起こることはまずないだろうとメディアを通じて発表したばかりでしたが、今回の報告されたケースをよく研究して新たな結論がなされる可能性もあります。

 

 

中国ではサクランボが市場に出回る季節となりましたが、鳥がサクランボに接触した形跡があっても食べて大丈夫なのか等といった心配も出てきており、市場にも影響がかなり出ています。

また、中医漢方薬の中には鷄の内臓を原材料としているものもあり、漢方薬市場においても中国国内では不安が生じているようです。

 

H5N1鳥インフルエンザが発生した時も、市場が混乱するといった現象がみられましたが、H7N9鳥インフルエンザの場合は、H5N1の時よりも感染スピードが速く、致死性も高いということが報道されているため、より深刻な社会問題となりそうです。

 

今起こっている感染を抑え、これ以上の波及を起こさないことが重要ですが、ここ数日の様子を見ていますと、やはり難しいようです。

日本へ入ってこないことを願っていますが、やはり水際で防ぐための対策や、もし入ってきてしまったときの対応ガイドラインなどを今の内に確立させておかなくてはいけないでしょう。