H7N9 退院者についての報道
ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザ 極度の重症患者が中国で初めて退院したという報道がありました。以下その記事です。
全国で人工肝と人工肺を組み合わせた治療を施されていた極度に重症な患者が4日退院する予定である。極度に重症の患者の中では、中国で初めての退院となる。同日、浙江大学医学部第一病院では、全部で10名の患者が退院する予定で、これにより累計18名の患者が退院したことになる。
【新華社 2013-5-3 14:56】
重症だった方が回復されて退院まで来たというニュースは朗報ではないでしょうか。
人工肝と人工肺については、その説明が書かれているURLをリンクしておきました。どういった治療なのかということの参考にしていただければと思います。
また、アメリカがH7N9鳥インフルエンザのワクチンの開発に成功したという報道がありました。
以下その記事です。
昨日、アメリカの≪The Wall Street Journal ≫でアメリカの生物会社、GreffexがH7N9鳥インフルエンザウィルスのワクチン開発に成功したと報道した。中国では未だH7N9鳥インフルエンザワクチンの開発には成功しておらず、世界で最初のH7N9鳥インフルエンザワクチン開発成功の報道である。
新型鳥インフルエンザワクチンの開発には数カ月の時間を有するが、Greffexは非常に速く開発した。GreffexはGREVAX特許の技術を使っており、これはアデノウィルスを改良してベクターとするものであり、これにより一か月以内でどんなワクチンでも開発できるとGreffexの最高技術責任者のCSOは紹介している。
GreffexではH1N1インフルエンザワクチンの開発に成功してきただけでなく、デング熱、炭疽病、エボラ出血熱等のA類伝染病ワクチンの開発も成功してきた。炭疽病についてはアメリカ陸軍伝染病医学研究所の協力により、現在臨床実験を進めている。
H7N9鳥インフルエンザワクチンの研究は競争が激しく、アメリカの有名な生物会社Protein Sciencesも、Greffex会社のこの技術に類似した技術を採用して、H7N9鳥インフルエンザワクチンの開発に市回向している。今年1月16日、FDAはProtein Sciencesの季節性インフルエンザワクチンFlublokを承認し、世界で初めてのrecombinant proteinによるインフルエンザワクチンとなった。
上述のアデノウィルスをベクターとした技術により新しいワクチンを開発する時間が大幅に短くなることが分かっているが、1か月以内での開発は初めてのことである。これ以外に、この技術は分子生物学を基礎としていてDNAを短い時間に増幅、生産し、かつ安価である。新型ワクチン(インフルエンザワクチンのみについてであるが)の研究開発の未来を代表している技術であるといえるが、類似した技術が中国にあるかどうかは分からない。
また、もう一つ鳥インフルエンザについて良い情報が入ってきた。
アメリカのメリーランド大学医学院の研究者が『Nature』で論文を発表した。その論文の結果が示すには、Eritoranという薬物が致死量のインフルエンザウィルス感染があったマウスの死亡させなかったというものであった。Eristonは一種のTollレセプター4(TRL4)の免疫蛋白の合成を抑制する。これは人類の鳥インフルエンザとの関わりにおいて一種の光明を見出すものである可能性があり、新しい治療法をもたらすかもしれない。
【科学ブログ アメリカがH7N9鳥インフルエンザワクチン開発に成功 2013-5-3 8:40】