H7N9鳥インフルエンザ  information
新潟大学国際保健学教室では、H7N9の様々な情報のrumor surveillanceを行っております。
ALL JAPANで備える」の信条の下、当ブログを通じて皆様に情報がご提供できればと思います

湖南省での最初のヒト感染性H7N9鳥インフルエンザ確定診断症例が5月14日午前に死亡

気温の上昇に伴い、ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの新たな感染症例報告がほとんどなくなりました。

江蘇省では18日間、新たな感染報告が無く、家禽市場が徐々に再解禁となりつつあります。南京は『鴨の都』といわれるぐらい鳥料理が盛んに食されることもあり、消費の回復が期待されます。

              武進新聞ネット 2013-5-15  8:19:53】

 

湖南省では、最初にヒト感染性H7N9鳥インフルエンザと確定診断された管さん(女)が死亡されました。以下その記事内容です。

 

患者:管(女) 64歳 湖南省邵陽市双清区

来歴:

4月14日 原因不明の脱力感、発熱(38~39℃)が出現。

4月18日 邵陽市双清区の個人診療所へ行く。

4月19日 邵陽市第一人民病院へ行き、「右肺肺炎と喀血」により入院。

4月24日 邵陽市第一人民病院の医療チームで会診し、「ウィルス性肺炎(ヒト感染性       鳥インフルエンザを疑う)」とされ、衛生局に電話報告される。

4月27日 中国疾病コントロールセンターからヒト感染性H7N9鳥インフルエンザウィ       ルス核酸陽性と報告され、確定診断される。

5月14日 午前に死亡。

※ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザによって、細菌とウィルスの混合感染による重症肺炎、高血圧、腎機能の重度損傷、多臓器不全などが起こった。

                  湖南日報 2013-5-15  7:53】

 

邵陽市武岡の69歳の趙(男)さんの病状は好転し、呼吸器を使用しておらず、鼻から酸素チューブにより呼吸補助をしている。胸部レントゲン写真では病巣は吸収され好転しており、腎機能に損傷があるのみ。邵陽市センター病院で治療中であるが、専門家は回復が可能であるとしている。

 

気温が上昇するにつれて、H7N9ウィルスの拡がりも少なくなってきたという記事をよく見かけます。

一方で、高病原性H5N1鳥インフルエンザの報道がちらほら出てきました。

1.北朝鮮平壌付近の養鴨場から高病原性H5N1鳥インフルエンザが検出され16.4万羽   が殺処分になる。中国新聞ネット 2013-5-14  18:45】

 

2.5月7日、チベット林芝地区米林県南伊郷琼林村の農家で飼育されていた鶏から鳥イ   ンフルエンザを疑う症状が出現し、鶏35羽発病し、35羽死亡した。

      5月8日、チベット自治区の動物疫病予防コントロールセンターは鳥インフルエンザ   を疑う疫学状況と判断。

   5月13日、国家鳥インフルエンザ参考実験室で確定診断され、高病原性H5N1鳥イン   フルエンザと確定診断される。新華ネット 2013-5-13  17:33】

 

 

高病原性H5N1鳥インフルエンザが中国の周囲で発生し始めています。

H7N9とH5N1両方の感染伝播を抑制するためにも、きちんとした疫学的予防措置を取っていく必要があるでしょう。