H7N9鳥インフルエンザ  information
新潟大学国際保健学教室では、H7N9の様々な情報のrumor surveillanceを行っております。
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広東省でのヒト感染性H7N9鳥インフルエンザについて8月9日から11日の報道

2013年8月9日 自由アジアラジオ局 台湾・アモイ語部

広東省衛生局は金曜日(9日)に、恵州でヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの疑いのある症例があったと報告を行った。患者は女性51歳、市街で屠殺業を営んでいる。重体である。市内の家禽市場ではすぐに対応策が取られ、疫学的予防策を強化するとともに、香港へウイルスが入ってしまった場合などを想定した対策が考えられている。

 

広東省衛生局は6日火曜日に、恵州市疾病予防コントロールセンターのサーベイランス中に発見された恵州市センター病院のH7N9ウイルス迅速キット陽性の51歳の女性の報告を受けた。広東省疾病予防コントロールセンターの実験室検査結果は核酸陽性であり、家禽類との接触史を考慮してヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの疑い症例として判断された。

 

患者は現在のところ重症で、36名の接触者は医学的観察措置を受けている。広東省の専門家チームは現地へ赴き感染源を調査し、患者が家禽を屠殺していた農業交易市場へ対応策を講じ、拡散の防止を狙っている。

 

恵州市ではヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの疑いがあるこの症例が出現した後、恵城区で唯一の家禽市場と、恵州市三鳥批評市場において金曜日の晩に緊急会議を行い、商業的な対応と予防措置について話し合われた。批評市場の責任者は、患者は博羅から通勤しており、恵城区からは距離があるということに加えて、彼らが厳重な監視体制を取っていることから大きく影響を受けることはないだろうと発現している。

また、ヒトに感染するという心配はないのかという質問に対して、

「心配はしていない。我々は20数年もこの商売をしているか常に予防措置を行ってきた。専門の検疫員も消毒制度もある。加えて政府に長年市場監督として派遣人員も来ている。ここが市クラスの営業所である限り、政府によって厳格に管理されているからだ。少し前から、政府によって1チームが派遣され長期に渡って毎日もしくは不定期に検査を行うことになっている。」

と答えた。

 

香港特区政府は市民と医療関係者に警告を続けている。また旅行者に対しても、家禽類との接触を避けるように勧告している。

香港衛生署衛生防御センターの総監督である梁挺雄は、未だヒト-ヒト感染は確認されていないが、H7N9ウイルスが変異し、ヒトに完全に適応を持った場合、広範囲でのヒト-ヒト感染が起こる能力を秘めていると発現している。130以上の症例のうち、致死率が30%で、流行地域がアモイや香港に接近してきていることから、香港は油断をしてはならないとも提言している。

更に梁挺雄は、香港は鳥インフルエンザに対する各種の予防措置を継続強化するべきだと強調している。海岸からくる旅行客などの検疫監視強化を行いインフルエンザ様症状を持つ者がいないかどうかやサーベイランスを強化しウイルスの変化を監視するなどの策を講じ、疑わしい事例があれば、すぐに隔離し検査に回すべきだと主張するものである。

 

 

2013年8月10日  香港政府新聞ネット

香港衛生防御センターは8月10日に、昨日広東省衛生局から通報があったヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの症例を確定診断した。

 

患者:51歳 女性 

場所:広東省恵州市博羅県横河鎮

職業:家禽屠殺業 (博羅城鎮市場)

7月27日に発熱し、8月3日に恵州市センター人民医院へ外来受診。同日入院し、9日夜に広州医科大学付属第一病院へ転院。重体である。

96名の接触者のうち、息子が昨晩微熱であったため、今朝A型鳥インフルエンザH7N9の検査を行った。結果は陰性であり、現在では熱も引いている。それ以外に異常は見られない。

 

これまで内地では134例のヒト感染性H7N9鳥インフルエンザ確定診断症例が出ているが、香港ではまだ症例は確認されていない。

食物安全センターは、資料を根拠として、恵州市博羅県横河鎮13km圏内に家禽養殖場或いは家禽肉製品加工場が無いか冷凍・冷蔵家禽及び鶏卵まで含めて確認している。

 

 

8月11日 香港政府新聞ネット

食物及び衛生局局長の高永文は、広東省で出現したヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの症例を受けて、香港での症例が出る危険を排除することができなくなってきたと発表した。香港と広東省では人の往来が激しく、短期のうちに香港にヒト感染性H7N9鳥インフルエンザが持ち込まれる可能性が高いとしている。

 

高永文は、香港の防御作業を一層強固にするよう指示した。特に辺境において、衛生署の人員に赤外線探査機を持たせ旅客の体温を計測し続けるようにした。

衛生防御センターお全ての港の医療従事者にH7N9の監視、医院には予防措置の強化と目標の検査と隔離の予行練習を行わせ、香港にH7N9が持ち込まれた時のシュミレーションを行っている。

 

(以下略)

 

 

 

7月末から8月にかけて再びヒト感染性A/H7N9鳥インフルエンザの症例が確認されるようになってきました。

広東省は今の時期は非常に気温が高いのですが、関係なく感染してしまった症例のようです。家禽類との接触を避けるというのは、現地でそれを生業に生活している人々にとって非常に難しいことです。

警戒を解いていたところでの確定診断症例の報告でしたが、秋へ差し掛かる時期になってくると症例の報告がまた増加するかもしれないので、備えておくということは大切なことです。

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