H7N9鳥インフルエンザ  information
新潟大学国際保健学教室では、H7N9の様々な情報のrumor surveillanceを行っております。
ALL JAPANで備える」の信条の下、当ブログを通じて皆様に情報がご提供できればと思います

ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザは空気感染能力を有するか

広東省で初めてのヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの確定診断症例が報告されてから約1週間が経とうとしています。この患者が現在どのような状況にあるのかといった具体的な情報は得られていません。

中国では一段落したと思われていたH7N9鳥インフルエンザが、再び感染症例を出したということでメディアでは毎日専門家へメディアが話を聞いて、その内容を掲載するといったことが続いています。

今年上半期でもっとも中国メディアで使われた言葉トップ10にも「H7N9禽流感」が選ばれていました。

 

家禽類との接触が感染経路であると5月頃に証明されましたが、H7N9鳥インフルエンザウイルス自体に空気感染能力があると香港大学新興伝染性疾病国家重点実験室主任の管軼へのインタビュー記事で掲載されていました。

4月9日の記事でもオランダのロン・フーシェ教授がH7N9鳥インフルエンザの遺伝子配列にH5N1インフルエンザ変異株と共通する2か所の遺伝子変異が認められると発言しており、この変異が鳥類から哺乳類へ感染しやすくし、呼吸器に付着しやすい特徴を持たせているとしていました。

 

2013-8-13  01:18  毎日経済新聞

 

 (省略)

 

香港大学新興伝染性疾病国家重点実験室主任の管軼によれば、ウイルスは高温環境の中で活動できる時間は非常に短いということである。よってヒトインフルエンザであろうが鳥インフルエンザであろうが、夏季における活動には制限を受けることになる。H7N9鳥インフルエンザアウトブレイクを受けて多くの家禽市場が封鎖されたが、封鎖後すぐにウイルスが減少したため最近営業を再開する市場が増加した。このため7月に北京で感染症例が1例出現し、8月には広東省で出現してしまったということらしい。

 

 (省略)

 

管軼は、上海や江蘇省で起こったのは限定的なヒト-ヒト感染の例であると言っている。この状況は以前のH5N1で起こったのと同じでH7N9で起こっていても何ら不思議が無いということである。「我々は実験室で(H7N9)に一定の空気伝播能力があるということを証明している(Science 12 July 2013:Vol. 341 no. 6142 pp. 183-186,DOI: 10.1126/science.1239844)。このウイルスはヒトへ伝播するが、ヒトからヒトへの伝播は比較的困難である。しかし、絶対安全とは言い切れない」ということだ。

 

彼はさらに、治療薬の方面では、オセルタミビルが重要な抗インフルエンザ薬であると付け加えている。

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