H7N9鳥インフルエンザ  information
新潟大学国際保健学教室では、H7N9の様々な情報のrumor surveillanceを行っております。
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生鳥市場の閉鎖がヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの感染リスクを低下させる。

10月に入り2名の感染者が出たヒト感染性H7N9鳥インフルエンザは、これまでに137例(北京での無症状であった症例を入れると138例)報告されています。

外気の気温が下がってくる冬季になると、感染者の報告がますます増えてくると考えられています。公衆衛生的な対策として生鳥市場(家禽市場)の閉鎖がこれまで取られていましたが、その対策がどれだけ有効であったのかを研究した論文がランセットで10月31日に発表されました。

この研究は生鳥市場の閉鎖がヒト感染性H7N9鳥インフルエンザのコントロールに対してどのような効果があったのか疫学的に解析たものでした。

『Effect of closure of live poultry markets on poultry-to-person transmission of avian influenza A H7N9 virus : an ecological study』

http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(13)61904-2/fulltext

 

研究結果は、以下の通りでした。

①ウイルスの潜伏期間は約3.3日。また95%以上が8日以内に発症していた。

②生鳥市場の閉鎖2~3日以内ではヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの発病率は迅速に低下し、生鳥市場の閉鎖は市民の感染リスクを97~99%低下させた。

③②の感染リスクは上海と杭州では99%、温州と南京では97%にまで低下した。

④季節性の要因としては絶対湿度が関係している。

 

これらの研究結果からは、今後冬から春にかけて生鳥市場を閉鎖することがヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの波及を防ぐのに最も効果と効率のよい方法だということが分かった。

                        【青年時報 2013. 11.02

 

生鳥市場の閉鎖が、ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの最もよい公衆衛生学的な予防方法だということが発表されたわけですが、家禽の交易に携わっている人も多いので再び閉鎖可能なのかどうかが議論になりそうだと思います。

完全にH7N9ウイルス自体を駆逐しないといけないので、ウイルス自体への対処も同時に行っていく必要があるでしょう。

 

 

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