H7N9鳥インフルエンザ  information
新潟大学国際保健学教室では、H7N9の様々な情報のrumor surveillanceを行っております。
ALL JAPANで備える」の信条の下、当ブログを通じて皆様に情報がご提供できればと思います

浙江省、上海で1人ずつヒト感染性H7N9鳥インフルエンザ症例が報告される。

皆様、明けましておめでとうございます。

本年も何卒宜しくお願い申し上げます。

世間は正月でしたが、ウイルスには正月は無かったようです。

 

浙江省と上海で1人ずつ新しい感染症例が報告されました。

2014.1.6 大陸新聞センター】 【2014.1.6 杭州新聞センター

余杭區黃湖鎮,一只雞站在雞舍圍擋上。陳中秋攝

 

浙江省で新たにヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの感染症例が報告された。浙江省では、2014年最初の報告例となる。この他にも4日、上海からも新しく1例が報告されている。

杭州浙江ネットで掲載された専門家のコメントによれば、2014年はA/H7N9の広がりは2013年のように春に集中することはないだろうとのことである。しかし、現在までの報告例のほとんどには生きた家禽との接触史があり、市民に家禽と接触しないよう呼びかけてもいる。鳥インフルエンザの疫学状況を予測し、上海では2014年の正月はじめから4月30日まで、全ての生鳥市場を閉鎖すると決定した。

 

2013年後半から現在までに、浙江省では6例の症例が報告されている。

①2013年10月15日 劉某 男 35歳 紹興県 サラリーマン 発病前、旅行先で野鳥と接触。

②2013年10月23日 陳某 男 67歳 嘉興市秀洲区 家で鶏を放し飼いにしていた。

③2013年11月8日 任某 女 64歳 嘉興市秀洲区 家で鶏を放し飼いにしていた。

④2013年11月28日 張某 男 57歳 安吉の住人 家で鶏を放し飼いにしていた。

⑤2013年12月6日 虞某 男 30歳 安吉の住人 11月28日に報告された57歳の男性は義父。

⑥2014年1月5日 蔡某 女 34歳 諸曁市 発病前に家禽との接触史有り。1月4日に確定診断され、杭州で治療中。担当している医師によると、重症で両肺に「白肺」現象がみられ、呼吸不全と重症のARDSで、サチュレーションが低下しており、呼吸器による呼吸補助と人工肝臓と人工肺による救命処置を行っているとのこと。

 

上海の症例は、発病前に生鳥市場で生きた家禽を購入したことが分かっている。

1月3日に上海で報告された症例:周某 男性 86歳

 

2014年正月から4月30日まで上海では全ての生鳥市場を閉鎖。

広州市衛生部門の通報により、広州市では農業市場のアヒルをしまっていた籠から採取した検体と、別の市場の排水検体の3件からA/H7N9鳥インフルエンザウイルスが検出された。

そのため、1月4日から市場を閉鎖している。市場内の17名の従業員には症状は出ていない。

 

 

生鳥市場の閉鎖が今の所、H7N9鳥インフルエンザを封じ込める有効な手段とされています。インフルエンザが流行する季節に入りますので、今後のH7N9の疫学情報にも注目していきたいです。

 

H7N9ではありませんが、日本では、オセルタミビル耐性を持つA(H1N1)pdm09ウイルスがIASRで報告されています。

今年もインフルエンザが感染症の大きな話題をさらっていきそうです。

 

 

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