H7N9鳥インフルエンザ  information
新潟大学国際保健学教室では、H7N9の様々な情報のrumor surveillanceを行っております。
ALL JAPANで備える」の信条の下、当ブログを通じて皆様に情報がご提供できればと思います

ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの感染症例が157例に

ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの、昨年2013年2月からこれまでの患者数が157名となりました。うち50名死亡です。

広東省では患者数が10名となり、うち1名死亡、2例がすでに治癒しています。

 

f:id:h7n9flu_information:20140109105352p:plain

【2013.1.9 中国新聞ネット

【2013.1.9 大洋新聞

【2013.1.9 アモイネット

【2013.1.9 現代快速新聞

【2013.1.8 大紀元

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深圳で新たなヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの症例が報告

人民ネット広州で1月7日に広東省衛生計画生育委員会から今日8日、深圳で新たに1例が確定診断されたと報道があった。

 

患者:区さん 男 31歳 深圳市

来歴:2013年12月20日に発病し、2014年1月3日に宝安区人民医院へ入院。

   オセルタミビル投与による治療が行われている。

   深圳市衛生部はすでに35名の接触者の咽頭スワブを採取し、検査を行ったが、い

   ずれも陰性であった。

 

この他にも、東莞の第2例であった、何さん ( 男性 39歳)が1月6日23:20に多臓器不全により死亡したと報告されている。

1月7日までに、広東省で9例(深圳2例、佛山1例、恵州1例、东莞2例、陽江3例)報告があり、うち死亡1例である。

 

                                                   【人民ネット 2014.1.8】

 

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浙江省、上海で1人ずつヒト感染性H7N9鳥インフルエンザ症例が報告される。

皆様、明けましておめでとうございます。

本年も何卒宜しくお願い申し上げます。

世間は正月でしたが、ウイルスには正月は無かったようです。

 

浙江省と上海で1人ずつ新しい感染症例が報告されました。

2014.1.6 大陸新聞センター】 【2014.1.6 杭州新聞センター

余杭區黃湖鎮,一只雞站在雞舍圍擋上。陳中秋攝

 

浙江省で新たにヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの感染症例が報告された。浙江省では、2014年最初の報告例となる。この他にも4日、上海からも新しく1例が報告されている。

杭州浙江ネットで掲載された専門家のコメントによれば、2014年はA/H7N9の広がりは2013年のように春に集中することはないだろうとのことである。しかし、現在までの報告例のほとんどには生きた家禽との接触史があり、市民に家禽と接触しないよう呼びかけてもいる。鳥インフルエンザの疫学状況を予測し、上海では2014年の正月はじめから4月30日まで、全ての生鳥市場を閉鎖すると決定した。

 

2013年後半から現在までに、浙江省では6例の症例が報告されている。

①2013年10月15日 劉某 男 35歳 紹興県 サラリーマン 発病前、旅行先で野鳥と接触。

②2013年10月23日 陳某 男 67歳 嘉興市秀洲区 家で鶏を放し飼いにしていた。

③2013年11月8日 任某 女 64歳 嘉興市秀洲区 家で鶏を放し飼いにしていた。

④2013年11月28日 張某 男 57歳 安吉の住人 家で鶏を放し飼いにしていた。

⑤2013年12月6日 虞某 男 30歳 安吉の住人 11月28日に報告された57歳の男性は義父。

⑥2014年1月5日 蔡某 女 34歳 諸曁市 発病前に家禽との接触史有り。1月4日に確定診断され、杭州で治療中。担当している医師によると、重症で両肺に「白肺」現象がみられ、呼吸不全と重症のARDSで、サチュレーションが低下しており、呼吸器による呼吸補助と人工肝臓と人工肺による救命処置を行っているとのこと。

 

上海の症例は、発病前に生鳥市場で生きた家禽を購入したことが分かっている。

1月3日に上海で報告された症例:周某 男性 86歳

 

2014年正月から4月30日まで上海では全ての生鳥市場を閉鎖。

広州市衛生部門の通報により、広州市では農業市場のアヒルをしまっていた籠から採取した検体と、別の市場の排水検体の3件からA/H7N9鳥インフルエンザウイルスが検出された。

そのため、1月4日から市場を閉鎖している。市場内の17名の従業員には症状は出ていない。

 

 

生鳥市場の閉鎖が今の所、H7N9鳥インフルエンザを封じ込める有効な手段とされています。インフルエンザが流行する季節に入りますので、今後のH7N9の疫学情報にも注目していきたいです。

 

H7N9ではありませんが、日本では、オセルタミビル耐性を持つA(H1N1)pdm09ウイルスがIASRで報告されています。

今年もインフルエンザが感染症の大きな話題をさらっていきそうです。

 

 

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香港で最初の死亡症例

香港で12月2日以降に出現したヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの最初の死亡症例が12月26日の報告された。

香港特区政府の発表によると、死亡したのは80歳男性とのこと。

香港メディアの報道では、死亡者は心臓病(鬱血性心不全)と糖尿病などの慢性疾患を患っていた。

この男性は長期に深圳に居住しており、現地の医院にかかっていた。

12月3日に高血糖により体調不良を訴え、家族に連れ添われ香港に帰り、隔離治療を受けていた。

 

☆検疫検査

香港では鳥インフルエンザに対する検疫を強化し、これまでに百名以上の渡航者とH7N9鳥インフルエンザ感染者と接触したことのある人を検査した。

香港では最初の36歳のインドネシア人の家政婦が感染していたが、彼女は香港と深圳の両方を往復していた。

 

                       【2013.12.26 BBC中国ネット

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ヒト感染性鳥インフルエンザA/H7N9 広東省での報告相次ぐ

広東省では、12月に入ってから6例の感染報告があります。

截至12月19日,广东全省人感染H7N9禽流感确诊病例6例。

 

以下新しい感染者の報告内容です。

 

1)梁さん 男性 62歳 陽江市江城区:発症日不明。

 

2)欧さん 男性 38歳 深圳市龍岗区南岭村

【来歴】

    12月9日に発熱、咳嗽などの症状が出現し、村の診療所で受診。

 12月12日に南湾人民病院の救急外来へ。12日と16日に咽頭スワブにより検体を採取 し検査した所、インフルエンザA型は陰性であった。

 12月17日に患者の肺胞洗浄液からH7N9鳥インフルエンザウイルスが検出される。

 12月18日に広東省CDCでも結果が一致し、確定診断された。

 患者は深圳市第三人民病院へ入院中。

 

広東省では、深圳1例、恵州1例、東莞2例,陽江2例の計6例が新たに報告されている。

 

                             【2013.12.20  南方都市

 

H7N9が徐々に感染者数を増やしている一方で、新しいヒト感染性鳥インフルエンザも報告されています。

 

江西省で世界で初めてヒト感染性のH10N8の死亡例が報告される。

香港衛生局は、17日夜に江西省でヒト感染性鳥インフルエンザA/H10N8の死亡症例を報告した。

死亡者は江西省 73歳の女性で長期に渡って慢性疾患の治療を受けていたことで、免疫力が弱っていたため、11月30日に入院して治療を受けていた。しかし、12月6日に死亡が報告されている。

患者は生鳥市場を訪れており、家族などの接触者が医学的観察措置に置かれているが、これまでのところ以上は見られていない。

                      【2013.12.18 17:55 観察者

  

 

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ヒト感染性鳥インフルエンザH7N9 広東省で新たな報告

広東省で12月16日に新しい感染者の報告がありました。

 

患者:張 女性 65歳 陽江市江城区 退職者

状態:重体

 

12月16日に確定診断される。

                    【2013.12.16 20:33 新華社ネット

 

広東省では冬に入る前から、H7N9感染者の出現が危惧されていました。

アウトブレイクが報告された当初よりも、感染者の報告が少ないですが、やはり発症すると重症化しやすいというのは問題です。

日本でもインフルエンザの季節に入りますが、インフルエンザ予防には手洗い・うがいなど、基本的な対策をとるなどが大事になってきます。

 また、中国にお住いの方は家禽市場に行ったり、生きた家禽と接触しないということも大事です。

 

 

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広東省で新たな感染症例の報告

12月15日の午後、広東省より、新たな人感染性H7N9鳥インフルエンザの確定診断症例があったと報告された。

 

患者:何さん 男 39歳 四川省南充市の出身 広東省東莞市在住

来歴:12月14日に市のCDCで咽頭スワブにより採取した臨床検体からヒト感染性

   H7N9ウイルスが検出された。15日には省のCDCの再検査でH7N9ウイルスが検

   出された。

   広州市医学院第一附属病院で呼吸器の専門家が治療にあたっている。

   53名の接触者が医学観察措置におかれ、またタミフル©(オセルタミビル)を投与

   されている。今のところ異常は見られていない。

                        【2013.12.15 18:50 南方日報

 

 

これまでで報告された患者数は145例、うち死亡45例となっている。

 

北京市でのヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの散発症例が出る可能性を排除できない

北京市疾病コントロールセンターは、現在までの北京市でのインフルエンザの活動度は低いレベルであると発表した。今後、人の移動によりインフルエンザウイルスが北京市に集中する可能性も考えられ、ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの散発症例も出現することも十分考えられるとした。

11月では、北京市では市内の一次救急で対応された421件のうちインフルエンザだったものが0.92%であった。また二次救急で対応された144件のうち、1.13%がインフルエンザ症例であった。いずれも季節性のインフルエンザであった。

 

今のところ、北京市でのインフルエンザの活動度は例年より低い水準を保っているが、冬季に入るとインフルエンザが流行する可能性があり、人の移動が激しくなる正月に入るとヒト感染性H7N9鳥インフルエンザウイルスが持ち込まれることも考えられる。

 

浙江省や香港で新しい症例が報告されており、北京市は警戒を強化している。

                  【2013.12.11 10:45  捜狐健康ネット

 

 

12月10日には中国国家衛生計画生育委員会の姚宏文が、ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザウイルスに変異はみられず、散発した症例が報告されているのみであると発表した。主な感染経路は鳥-ヒト感染であり、今後も予防対策を強化継続するとしている。

                  【2013.12.11 8:46  新華社ネット

抗インフルエンザ薬に対して耐性を持つH7N9ウイルスも高い感染力を維持

ネイチャーコミュニケーションズ電子版からヒト感染性鳥インフルエンザA/H7N9についての新しい発表がありました。

タイトルは「Influenza A(H7N9) virus gains neuraminidase inhibitor resistance without loss of in vivo virulence or transissibility」で、薬剤耐性を持っているが、高い感染力が維持されているH7N9ウイルス株について報告されています。【Nature communication

インフルエンザの治療にはオセルタミビルなどのノイラミニダーゼ阻害薬が使用されます。

インフルエンザウイルスは細胞に感染した後、細胞内で増殖しますが、増殖した後、細胞の外へ出ていきます。感染細胞から出ていくときには、作られたウイルスはまだ細胞につながれたままの状態です。そこで、ノイラミニダーゼという酵素を使って、感染細胞とウイルスがつながっている部分を切断します。これで、ウイルスが自由になり、新しく宿主となる細胞を探しに行けるわけです。

ノイラミニダーゼ阻害薬は、このノイラミニダーゼの働きを邪魔します。

ノイラミニダーゼの立体構造に薬の分子が入り込んで、うまく切断できないようにするわけですが、ノイラミニダーゼを作り出すための遺伝子に変異が生じて構造が変わってしまうと、薬がうまく効かなくなり耐性を獲得することになります。

しかし、ノイラミニダーゼの構造が変わってしまうことは、ウイルスにとっても好ましい状況ではありません。

本来のハサミの機能が落ちてしまうからです。

なので、通常薬剤耐性を獲得したウイルスは宿主となる感染細胞から効率よく出ていくことが出来ず、感染力も落ちてしまうわけです。

しかし、今回報告されたH7N9ウイルスは、薬剤耐性を持っていても感染力が落ちないということでした。

実際にこういった性質を持ったウイルスがどれだけ感染が報告されている地域に広がっているのかは、まだ分かっていません。

これまでに140名以上の確定診断症例の報告がありましたが、まだまだヒト感染性H7N9鳥インフルエンザについては不明な部分が多いです。

中国は2月の春節から4月まで生鳥市場(家禽市場)を閉鎖する予定らしいですが、今後の動向について継続して注目していきたいです。

 

新たに2名のA/H7N9鳥インフルエンザの感染者が報告される

中国浙江省と香港で12月6日に1例ずつ新しい感染者の報告がありました。

 

◆香港のケース

患者:80歳 男性 深圳に長期滞在後、香港へ戻る

来歴:12月3日に糖尿病で病院で受診したが、この時には発熱無し。

   12月6日に発熱。現在、病状は安定している。

   普段は屠殺された鶏を購入しているが、生鳥市場に行ったことも直接生きた家

   禽類に接触したことはない。

 

◆浙江省のケース

患者:虞さん 30歳 男性 

来歴:12月5日に確定診断される。  

   11月27日に確定診断された張さんの娘婿。

   義理の父である張さんは鶏に餌をやったり、糞を掃除したりしていた。

 

                      【2013.12.6  BBC中国ネット