report.4 H7N9の感染
ロンドンロイター通信は、25日に中国の科学者がH7N9鳥インフルエンザウィルスが家禽市場の鶏からヒトに感染したことを確認したことを報じた。
中国ではすでに23人が感染により死亡している。
医学雑誌『Lancet』のサイト上で研究結果について発表されており、この科学者らの観点はWHO及び中国政府の声明とも一致しているが、未だH7N9鳥インフルエンザウィルスのヒト-ヒト感染は証明されていない。
3月から起こったH7N9インフルエンザは、中国では109人の感染を出しており、WHOは水曜日に、H7N9鳥インフルエンザウィルスは“最も致死性の高い”鳥インフルエンザウィルスの1つであり、また以前のH5N1ウィルスよりもヒトに感染しやすいと警告している。
この研究の責任者は、香港大学の袁国勇(Kwok-Yung Yuen)氏で、研究により家禽市場の鶏が、ヒト感染を起こすH7N9鳥インフルエンザウィルスであると研究から発見した。これにより家禽市場及び家禽類の間でのウィルスコントロールが最重要となる。
「香港では以前から行われていたことではあるが、生きてる家禽を扱う市場で動物か らヒトへの感染が起きないように積極的に予防措置を取るように考慮するべきだ」
とLancetで指摘している。
さらに袁氏は「同時に、家禽市場を早急に閉鎖し、全面的に監視をする法案を発動させ家禽類の隔離や殺処分により生物の安全を確保するべきで、ウィルスがパンデミックウィルスに変化するのを防ぐようにしなくてはならない」とも補足している。
「H7N9ウィルスは単純に家禽類からヒトへと感染する経路しか持たないことが証明
されたので、ヒトへの感染をコントロールするために家禽類の検疫についても考え
なければならない」とも言っている。
このことにより、感染源が鶏か他の家禽類かということで議論する意味が無くなり、鶏が感染源の1つであることが分かった。
H7N9鳥インフルエンザについての論文は、The New England Hournal of Medicineでも中国からのものが発表されており、24日に発表された『Preliminary Report:Epidemiology of the Avian Influenza A(H7N9) Outbreak in China』では今回の感染82例についてまとめられている。