H7N9感染者速報 vol.12
H7N9鳥インフルエンザの感染者の報告がありました。
江西省は、北は湖北省、安徽省、東は浙江省、福建省と、感染者が報告されている中国各省と隣接しております。
【患者】
1.熊(男) 80歳 農民 江西省南昌市
家の中で鷄を飼っていた。密接な接触者8名は医学的観察措置に置かれているが、
今のところ異常無し。
2.徐(女) 31歳 野菜の個人販売 江西省南昌市
自身の店舗の隣で、鷄を販売する店舗があった。
密接な接触者11名は医学的観察措置に置かれているが、今のところ異常なし。
【大江ネット 2013-4-28 10:54】
上記2名の患者の発症日、臨床的な情報などの具体的な報道がありません。
また、各省の疾病管理センターなどからも詳細については具体的な発表は今のところありません。江西省ではこれで感染者が5名となりました。
感染者累計は123例、うち死亡:24例となっております。
浙江省では、浙江大学医学部付属第一病院の重症例6名が無事に退院したとの報道がありました。
浙江大学医学部付属第一病院では44例のH7N9鳥インフルエンザ感染者を収容しており、うち8名が退院し、10名が普通病棟へと移りました。【浙江新聞 オンライン】
浙江新聞オンラインには、次のような記事もありました。
H7N9ウィルスに再び少しの突然変異が起これば、ヒト-ヒト感染の可能性が大きくなる。
H7N9ウィルスには変異が発生しており、これにより鳥-ヒト感染が起こった。しかし、今のところH7N9ウィル
スが人体内で変異を起こしたという事実は確認されておらず、ヒト-ヒト感染も確立していない。
回復できた感染者は比較的高い抗体をもっており、抗H7N9ウィルスの免疫力も比較的強いため、再び
H7N9ウィルスに感染する可能性が低い。
H7遺伝子の中の2つのアミノ酸配列に“転移”が起こっており、これにより2つのフレームの位置が変化し、こ
れがヒトの呼吸道上皮細胞との親和力を増強したことを意味している。そのため、今年の春からH7N9が鳥
からヒトへ感染しやすくなった。
ヒト‐ヒト感染が起こるには、PB2遺伝子も重要となってくる。現在のところ、科学研究団体がPB2遺伝子の
中に1つの変異が起こっていたことを発見し、警戒を高めている。もし、この2つのアミノ酸変異が同時に起こ
ればヒト‐ヒト感染も発生する可能性がある。
H7N9感染によって入院した場合は、抗生物質の投与を停止し、抗ウィルス薬を使用し、呼吸器により酸素
吸入補助を行い、少しでも腸道栄養を保持する『四抗二平衡』治療が重要であると中国工程院院士は言っ
ている。
浙江大学医学部付属第一病院での治療は以下の通り。
①人工肝臓・・・17人 (現在は8人)
②膜型人工肺・・・10人 (現在は5人)
③呼吸器使用・・・18人 (現在は8人)
【浙江オンライン新聞ネット 2013-4-28 7:00】