H7N9鳥インフルエンザ  information
新潟大学国際保健学教室では、H7N9の様々な情報のrumor surveillanceを行っております。
ALL JAPANで備える」の信条の下、当ブログを通じて皆様に情報がご提供できればと思います

ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザと鶏肉食品

香港食物環境衛生署の食物安全センターは6月4日に、世界動物衛生組織からデンマークのViborg Municipalitにある1か所の禽類養殖所及び、オランダのUtrecht省の1か所の禽類養殖所から低病原性H7鳥インフルエンザの感染が証明されたと発表した。

その日から、この2か所の禽類の肉及び肉製品(卵を含む)を香港へ輸入するのを禁止し、香港内での大衆の健康及び動物の衛生を保障するとした。

食物環境衛生署食物安全センターによると、香港は昨年デンマークから2300tの冷蔵鶏肉と7.8万個の卵を、オランダからは1.7万tの冷蔵鶏肉と130万個の卵を輸入している。センターはデンマークとオランダの当局に連絡をし、継続して世界動物衛生組織から発表される両国の鳥インフルエンザのパンデミックの情報に留意し、発展具合によって適時対応を決定していくとした。

                     人民ネット 2013-6-6  7:20】

 

香港は高病原性H5N1鳥インフルエンザのヒト感染症例が初めて出た場所でもあり、少しでもリスクがあるならば軽減したいということなのでしょう。

自国内だけの状況に目を向けるのではなく、同時に近隣や関係する諸外国ではどのような疫学的背景が現在存在しているのかを把握することも水際対策をするためには非常に大切なことになります。

 

安徽省では6月1日からwet marketが解禁になっております。

上海では4月6日から市内の家禽市場が全封鎖となっており、浙江省も一部の地区だけ4月7日以降閉鎖されていました。

警戒解除が5月10日に行われているので、それ以降は市場も開放されていたようですが、今回のヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの騒動から、上海の家禽市場(wet market)への対応が少し変わってきているようです。

 

【上海政府、季節性インフルエンザ流行期間中はwet marketを封鎖することを決定】

上海政府は『上海市家禽交易管理法(草案)』が5日から公開され、一般の意見の募集を開始した。一般の意見公募は、2004年の鳥インフルエンザから続けられている制度で、上海では家禽市場交易の管理方法としている。

上海はヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの疫学的流行が非常に重かった地区の1つであり、5月31日までに累計で33例の確定診断症例が出ている。

 

上海市家禽交易管理法(草案)』は、上海での鳥インフルエンザ等の疫病疫学的状況を基にして、季節性インフルエンザの評価、予測と警告を行い、家禽市場の交易の禁止措置を取ることを決定した。定点家禽批評市場と家禽交易市場での家禽交易は一定期間禁止となる。

 

4月初旬からH7N9鳥インフルエンザのために家禽市場を閉鎖して以来、6月初旬に上海で冷凍鶏肉の取引が開始されたが、地元民は屠殺をしてから鶏肉を食すという風習がある。上海人の鶏の消費はデータ上は年間1.7~1.8億羽となっており、その中で生きた鶏は1.3億羽である。

 

上海市家禽交易管理法(草案)』では季節周期のある鳥インフルエンザが流行している間に生きた家禽交易を禁止する他に、生きた家禽交易を厳格に規制するとしている。

例えば市内での家禽批評市場の設置、定点での家禽市場以外での家禽交易を禁止する等が挙げられている。

                 【中国新聞ネット 2013-6-5  16:36】

 

 

 

上海では冷凍された鶏肉の販売取引が開始されたようですが、警戒解除された5月10日以降も市場での取引に対する規制が緩和されて、取引が行われていたようです。

しかしながら、そういった現状を踏まえて次の新たなヒト感染性鳥インフルエンザの発生を抑えるべく、今回の条例を作りwet marketの規制を行いたいということなのでしょう。