H7N9鳥インフルエンザ  information
新潟大学国際保健学教室では、H7N9の様々な情報のrumor surveillanceを行っております。
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新型ヒト感染性A/H7N9鳥インフルエンザはヒトの上下気道上皮に感染する

American Journal of Pathologyに9月10日『Novel Avian-Origin Influenza A (H7N9) Virus Attaches to Epithelium in Both Upper and Lower Respiratory Tract of Humans』というタイトルで論文が発表されました。

発表したのは、オランダのエラスムス大学の研究チームで、H7N9鳥インフルエンザウイルスがヒトの上下呼吸道に感染する能力があることを証明しました。

以下、それについての記事です。

 

10日、American Journal of PathologyでH7N9鳥インフルエンザウイルスが上下呼吸道に同時に感染する能力があることを証明した研究が発表された。この感染様式は鳥インフルエンザの中では最初に発見されたこととなる。H7N9ウイルスはヒトの間で有効な伝播能力を有し、重症肺炎とパンデミックを引き起こすとしている。

 

通常の状況下では、H1N1等のインフルエンザはヒトの鼻・咽等の上呼吸道の部位に感染し、患者は唾液と鼻水に大量のウイルスを含んでいる。これがウイルスの伝播性を比較的強くしている。また、H5N1等の鳥インフルエンザウイルスは感染後、比較的深い細気管支及び肺胞等の下気道に感染し、重症肺炎を引き起こすため、病原性が比較的に高くなる。

 

オランダのエラスムス大学の研究員は最初に報道された2種のH7N9ウイルス株を用いてH3N2とH1N1、及び鳥インフルエンザのH5N1とH7N7と比較して分析した。

結果から、その他の鳥インフルエンザとH7N9は同じように下気道への感染が上気道への感染より容易であったが、他の鳥インフルエンザと違って下気道中の粘膜上皮細胞への感染が最も多く、これがH7N9ウイルスをより高病原性へとしていることが分かった。

 

これ以外にも、H7N9ウイルスはその他のウイルスと比較して付着する場所が鼻甲介、気管、気管支の線毛細胞に集中しやすく、ヒト-ヒト感染を引き起こす潜在性があることが分かった。

 

研究の責任者であるエラスムス大学のThijs Kuiken氏は、「H7N9ウイルスの付着感染モデルはこれまでの 鳥インフルエンザの中では確認されておらず、肺部の重症疾病を引き起こすのみならず、ヒト-ヒト感染も可能である」と明言している。

さらに彼が強調するのは、ウイルスの付着が宿主細胞中でコピーされるのが第一歩に過ぎず、ウイルスコピーのその他の過程が宿主の反応等であると考慮すると、H7N9ウイルスには十分パンデミックを引き起こす能力があるということである。

 

                   【2013-9-11 10:35  新中華ネット

 

 

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