H7N9鳥インフルエンザ  information
新潟大学国際保健学教室では、H7N9の様々な情報のrumor surveillanceを行っております。
ALL JAPANで備える」の信条の下、当ブログを通じて皆様に情報がご提供できればと思います

ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザ 134症例目の河北省の女性が死亡

北京市衛生局による微博(中国版ツイッター)の『@首都健康』で、25日間の救命措置のかいなく、河北から北京へ転院してきたヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの重症患者の女性が死亡したニュースが流れた。

一度は呼吸系統については機能の好転があったものの、最終的には感染の加重により、多臓器不全を起こして11日の夜22時頃に死亡した。

 

この患者は河北省では初めてのヒト感染性H7N9鳥インフルエンザ感染症例で、河北省は全国で11番目にヒト感染性H7N9鳥インフルエンザ症例が出た省となった。8月10日には、広東省で初めてのヒト感染性H7N9鳥インフルエンザ症例が出現し、12例目の省となっている。現在までに確定診断を受けた症例は135例、12省市の42の地域に分布しており、これに台湾も含まれている。

 

≪患者≫

・張 女性 61歳  河北省北廊坊市

7月10日 咳嗽・発熱(38℃)などの症状が出現したため、市販の薬を服用したが、寛解しなかった。

発熱が5日続き、咳嗽・呼吸困難が2日続いたため7月18日18時に北廊坊市から北京朝陽医院へ転院。入院後、病状は迅速に悪化し、院内の専門チーム、市級専門チームが診断し、7月20日にヒト感染性H7N9鳥インフルエンザと確定診断した。この時すでに重症であった。患者はARDS(急性呼吸窮迫症候群)と膿毒症、急性腎機能不全、DICなどを併発していた。

全力で治療に当たり、8月1日には一度、呼吸機能が好転したため、8月4日に呼吸器を外して自力呼吸を行うリハビリを開始。感染部分のコントロールはしっかりとされており、意識もはっきりしていて、飲食も可能であった。8月9日にはH7N9ウイルス核酸が陰性となり、抗ウイルス治療の効果が見られていた。

8月10日、患者に再度感染症の加重が出現し、11日には迅速に膿毒症へと発展し、感染中毒性ショックを起こし、多臓器不全で死亡した。

8月11日21:00、患者に心拍、血圧の低下がみれら、21:22には心拍数が0となり、自力呼吸停止、血圧0mmHgとなったため、心肺蘇生をおこなったが、効果は無く22:01には完全に死亡と判断された。

死亡診断は、「ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザウイルス感染による肺炎(重症例)、急性呼吸窮迫症候群、急性腎機能不全、感染中毒性ショック」であった。

 

医学専門家によれば、この病例の病状発展と治療について考察すると、ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザで重症症例を防ぐには、抗ウイルス治療はもちろんのことウイルス感染以外にも臓器の機能を正常に保てるように支持治療を怠らないということも大事であると指摘されている。

 

張さんと接触があったのは家族、中国石油管道局廊坊総合病院で同じ病室だった病人と医療関係者の30名であった。

特に密接に接触をしていた2名は末期癌により死亡しており、残りの28名は医学的観察措置を7日取った結果、自覚症状・発熱があるものはおらず、また咽頭スワブによる検体採取の後の検査もウイルス核酸陰性であった。

 

                     【2013-8-12  23:11:51  観察者】

 

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広東省でのヒト感染性H7N9鳥インフルエンザについて8月9日から11日の報道

2013年8月9日 自由アジアラジオ局 台湾・アモイ語部

広東省衛生局は金曜日(9日)に、恵州でヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの疑いのある症例があったと報告を行った。患者は女性51歳、市街で屠殺業を営んでいる。重体である。市内の家禽市場ではすぐに対応策が取られ、疫学的予防策を強化するとともに、香港へウイルスが入ってしまった場合などを想定した対策が考えられている。

 

広東省衛生局は6日火曜日に、恵州市疾病予防コントロールセンターのサーベイランス中に発見された恵州市センター病院のH7N9ウイルス迅速キット陽性の51歳の女性の報告を受けた。広東省疾病予防コントロールセンターの実験室検査結果は核酸陽性であり、家禽類との接触史を考慮してヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの疑い症例として判断された。

 

患者は現在のところ重症で、36名の接触者は医学的観察措置を受けている。広東省の専門家チームは現地へ赴き感染源を調査し、患者が家禽を屠殺していた農業交易市場へ対応策を講じ、拡散の防止を狙っている。

 

恵州市ではヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの疑いがあるこの症例が出現した後、恵城区で唯一の家禽市場と、恵州市三鳥批評市場において金曜日の晩に緊急会議を行い、商業的な対応と予防措置について話し合われた。批評市場の責任者は、患者は博羅から通勤しており、恵城区からは距離があるということに加えて、彼らが厳重な監視体制を取っていることから大きく影響を受けることはないだろうと発現している。

また、ヒトに感染するという心配はないのかという質問に対して、

「心配はしていない。我々は20数年もこの商売をしているか常に予防措置を行ってきた。専門の検疫員も消毒制度もある。加えて政府に長年市場監督として派遣人員も来ている。ここが市クラスの営業所である限り、政府によって厳格に管理されているからだ。少し前から、政府によって1チームが派遣され長期に渡って毎日もしくは不定期に検査を行うことになっている。」

と答えた。

 

香港特区政府は市民と医療関係者に警告を続けている。また旅行者に対しても、家禽類との接触を避けるように勧告している。

香港衛生署衛生防御センターの総監督である梁挺雄は、未だヒト-ヒト感染は確認されていないが、H7N9ウイルスが変異し、ヒトに完全に適応を持った場合、広範囲でのヒト-ヒト感染が起こる能力を秘めていると発現している。130以上の症例のうち、致死率が30%で、流行地域がアモイや香港に接近してきていることから、香港は油断をしてはならないとも提言している。

更に梁挺雄は、香港は鳥インフルエンザに対する各種の予防措置を継続強化するべきだと強調している。海岸からくる旅行客などの検疫監視強化を行いインフルエンザ様症状を持つ者がいないかどうかやサーベイランスを強化しウイルスの変化を監視するなどの策を講じ、疑わしい事例があれば、すぐに隔離し検査に回すべきだと主張するものである。

 

 

2013年8月10日  香港政府新聞ネット

香港衛生防御センターは8月10日に、昨日広東省衛生局から通報があったヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの症例を確定診断した。

 

患者:51歳 女性 

場所:広東省恵州市博羅県横河鎮

職業:家禽屠殺業 (博羅城鎮市場)

7月27日に発熱し、8月3日に恵州市センター人民医院へ外来受診。同日入院し、9日夜に広州医科大学付属第一病院へ転院。重体である。

96名の接触者のうち、息子が昨晩微熱であったため、今朝A型鳥インフルエンザH7N9の検査を行った。結果は陰性であり、現在では熱も引いている。それ以外に異常は見られない。

 

これまで内地では134例のヒト感染性H7N9鳥インフルエンザ確定診断症例が出ているが、香港ではまだ症例は確認されていない。

食物安全センターは、資料を根拠として、恵州市博羅県横河鎮13km圏内に家禽養殖場或いは家禽肉製品加工場が無いか冷凍・冷蔵家禽及び鶏卵まで含めて確認している。

 

 

8月11日 香港政府新聞ネット

食物及び衛生局局長の高永文は、広東省で出現したヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの症例を受けて、香港での症例が出る危険を排除することができなくなってきたと発表した。香港と広東省では人の往来が激しく、短期のうちに香港にヒト感染性H7N9鳥インフルエンザが持ち込まれる可能性が高いとしている。

 

高永文は、香港の防御作業を一層強固にするよう指示した。特に辺境において、衛生署の人員に赤外線探査機を持たせ旅客の体温を計測し続けるようにした。

衛生防御センターお全ての港の医療従事者にH7N9の監視、医院には予防措置の強化と目標の検査と隔離の予行練習を行わせ、香港にH7N9が持ち込まれた時のシュミレーションを行っている。

 

(以下略)

 

 

 

7月末から8月にかけて再びヒト感染性A/H7N9鳥インフルエンザの症例が確認されるようになってきました。

広東省は今の時期は非常に気温が高いのですが、関係なく感染してしまった症例のようです。家禽類との接触を避けるというのは、現地でそれを生業に生活している人々にとって非常に難しいことです。

警戒を解いていたところでの確定診断症例の報告でしたが、秋へ差し掛かる時期になってくると症例の報告がまた増加するかもしれないので、備えておくということは大切なことです。

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ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザ 133例目、134例目について

現在まででヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの感染者数累計は134例、うち死亡者累計43例となっています。

133例目までは5月までの発症で、134例目が7月に入ってからの発症でした。

6月にはヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの感染症例は報告されていません。

 

≪≪133例目≫≫

患者:15歳 男児

場所:江蘇省

 4月25日:発病 → 4月26日:入院 → 5月2日: 退院

 分子診断ツール(迅速診断キット)による検測結果でA/H3N2シーズンとH7N9鳥インフ

 ルエンザウイルス陽性と出た。確定診断を行うために、江蘇省衛生庁では7月1日に

 省級と国家級の専門家を招聘し、実験室検査を行った結果確定診断された。

 

 f:id:h7n9flu_information:20121023115529j:plain ←Vereduslaboratoriesの迅速診断キット

                【広西出入国管理局検疫部 2013.7.5

 

≪≪134例目≫≫

患者:61歳 女性

場所:河北省廊坊市 (受診・報告は北京市)

 7月10日 咳嗽・発熱(38℃)などの臨床症状が出現。

        市販の薬を服用したが寛解せず。

  ↓

 7月13日 河北省廊坊市の地域診療所で受診し、外来で点滴治療を受ける。

        (患者は、それまで廊坊市を離れたことが無い) 

  ↓

 7月14日 発熱症状(40℃)に、咳嗽、喀痰(黄色)、排痰困難、悪寒を伴い、中国石油

        管道局廊坊市総合病院で受診し、重症肺炎と診断される。

  ↓

 7月18日 北京の朝陽病院へ転院し、肺炎、ARDSと診断される。

        18:30に状態が悪化し、呼吸困難に陥ったためICUへ入り、呼吸器による

      酸素投与治療を行う。

  ↓

 7月19日 朝陽病院が患者に対してH7N9鳥インフルエンザウイルス検査をしたとこ

        ろ、結果が陽性となったため、検体をすぐに北京市のCDCへ送った。

  ↓

 7月20日 患者の検体でH7N9鳥インフルエンザ核酸陽性となり確定診断される。

        合併症:ウイルス性肺炎、ARDS、重い膿毒症、

            急性腎損傷、びまん性血管内凝結

      気管挿管、呼吸器補助、人工肺(ECMO)の使用、血液濾過などを行う。

  ↓

 7月21日 患者が収容されているICU付近に厳重な警備体制がしかれる。

        午後に河北廊坊市でH7N9緊急疫情会議が開かれ、市の衛生局員が「患者

        は良く廊坊市麦洼総合農業交易市場へ行っており、そこからH7N9ウイル

        スが検出された。またその来源が家禽交易市場の汚水中であり、家禽市場

        からH7N9ウイルスが検出されたため、現在では厳格に疫学的防御措置を

        取っている」と発表があった。

   

        0時には、患者の咽頭スワブから採取できた検体と総合市場の家禽交易部

        署の糞便及び汚水等の外環境の検体53件のうち、外環境検体の1件のみ

         H7N9鳥インフルエンザが陽性であったが、残りは全て陰性であった。

      26名の接触者には異常は発見されていない。

 

廊坊市政府は緊急会議で家禽交易市場の閉鎖を含む予防策を決定し、重症肺炎での入院症例のうち、原因不明のものは全て検体採取と検査を行い、市内の2級以上の病院では毎日9時前までに発熱がある患者の様子を報告することを決定した。

また、医療従事者への周知・教育を行い、より強固な感染予防策を取る予定である。

 

中国のインフルエンザ専門家たちは、気温が上昇しているにもかかわらず、今回の症例が出現したことについて疑問を抱いている。

                   【2013.7.22   10:49:25 観察者

        

 

かなり気温が上昇してきているのに、感染症例が出たというのは驚きでした。

国立感染症研究所では 、日本国内で市販されているインフルエンザ迅速診断キットでH7N9鳥インフルエンザウイルスに反応できるかどうかの実験結果を報告していました。

f:id:h7n9flu_information:20130809113108j:plain

 

 

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江蘇省の親子感染症例でヒト-ヒト感染の根拠となる可能性あり

 7日、イギリス医学会雑誌(BMJ)が江蘇省疾病コントロールセンターの研究員から、ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザのヒト-ヒト感染を証明することになるかもしれない最新の研究報告を受け発表した。しかし、今の所ウイルスのヒトへの感染力は強くなく、パンデミックを引き起こす可能性は低いとされている。江蘇省疾病コントロールセンターからも、同様の内容が発表されているが、今回の報告がヒト-ヒト感染の有力な根拠となる可能性があることに注目が集まっている。

 

【患者】

場所:江蘇省無錫市

A:60歳 男性 (父親) 4月26日に報道された症例

  発病したのが、家禽類と最後の接触から5~6日後。

  3月11日に入院。

    ↓

  3月15日に容体が悪化したためICUへ。

    ↓

  5月4日、多臓器不全のため死亡。

  

B:32歳 女性 (娘) 4月2日に報道された症例

    父親がICUに入るまで*看病のために病院に泊まり込んでいた。父親と最後に接触し

    て6日後に症状が出現。(3月21日に発病)

  看病中は特に防御策を取っていなかった。

      3月24日に入院。

     ↓

   4月24日に多臓器不全で死亡。

 

     f:id:h7n9flu_information:20130808144343j:plain      

 

この2症例のヒト感染性H7N9鳥インフルエンザのゲノム解析をしたところ、完全に一致した。また、32歳女性張さんの夫に軽い臨床症状が出ていたが、ウイルスについての検査を行ったところ陰性であった。同様に接触があった43名についても調査を行ったが、特に感染報告は無かった。

娘には家禽類との接触史は無かった。

江蘇省疾病コントロールセンターは、娘の張さんが防御策をしないまま父親の呼吸道分泌物に触れた(口腔内の痰の除去などを手伝っていた)ため感染した可能性があるとしている。

父親と同室にいた他の人に感染していなかったことから、ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザウイルスは呼吸道分泌に直接接触すると感染する可能性があるが、飛沫或いはエアロゾルや空気感染の可能性は低いということを示唆しているとも考えられる。

そのため、感染者と接触するときには、マスクや手袋などの感染防御策を行い、分泌物に触れた時には手洗いと消毒を必ず行い感染を防ぐこと重要であるとしている。

 

今回のゲノム解析では、ウイルス作用のカギとなるアミノ酸部分の変異は見つかっていない。

 

中国では3月に最初のヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの確定診断報道があってから7月21日までに133例の確定診断報道があり、そのうち43人が死亡している。

大部分は家禽類との接触史があってから発症していることが分かっている。

                           【2013.8.8 7:30    現代快速新聞

                           【2013.8.8  観察者

*中国では一般病棟の場合、基本的に病人の家族が看病を行い、日本の様に看護師が毎日のケアをするところは稀です。 

 

ヒト-ヒト感染するヒト感染性H7N9鳥インフルエンザは流行がしやすい可能性が非常に高く、今回の致死率も考慮しますと非常に不安が生じるところではあります。

今回は飛沫感染の可能性が低いとされていましたが、7月18日の『Science』のネット版では、ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの飛沫による感染能力は非常に高いというレポートが中国の研究者からあったと発表がありました。

                                                                          

「H7N9 Influenza Viruses Are Transmissible in Ferrets by Respiratory Droplet」の著者らは、H7N9ウイルスは家禽類にはもともと病原性が無いが、人体に侵入してから突然変異を起こした後に、哺乳類に対して病原性と水平伝播能力を得るだけでなく増強することが分かったため、パンデミックを引き起こす可能性が高いことを示唆している。

 

研究者たちは人類の伝播状況に近いフェレットを利用して実験をしており、家禽類から分離されたH7N9ウイルス2株と人体から分離されたH7N9ウイルスの3株の感染力価を調べた。5株のH7N9分離ウイルスを呼吸道飛沫伝播させたところ、家禽類からの分離ウイルス1株と人体から分離された全てのウイルス株がフェレットに感染し、さらに人から分離されたウイルスのうち1株は感染力価が非常に高かったという結果を得た。

                         【2013.7.20  5:31  人民日報ー人民ネット

 

 また、人から分離されたH7N9ウイルスをフェレットとブタを使って感染力価と病原性を調べた論文もありました。(Infectivity, Transmission,and Pathology of Human-Isolated H7N9 Influenza Virus in Ferrets and Pigs)

 

H7N9以外にも、台湾ではH6N1の感染症例が報告されたり中東での新型コロナウイルスの出現と、ウイルスについての話題が尽きない1年になりそうです。

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中国現代小児科雑誌の記事

2013年6月15日の中国現代小児科雑誌の記事でH7N9の小児感染症例3例について、ちょっとした記事がありました。

 

 

ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザについての周知活動の一環のようです。

 

以下のスライドは当教室で日本語に訳したものです。

 

 

発症からNA阻害薬の投与までが15時間と早かったことが、ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザに感染した小児患者にとって回復への大きな後押しになった可能性が考えられます。

 

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ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザワクチンの開発が開始

天壇生物は6月6日夜、中国疾病予防コントロールセンターからウイルス予防のためのH7N9鳥インフルエンザのワクチン用ウイルス株を分けてもらい、正式にヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの開発の研究を始めたと発表した。

 

天壇生物の説明によると、獲得したウイルス株はワクチンの研究開発が前提条件であり、生産されたヒト感染性H7N9鳥インフルエンザワクチンは臨床試験で安全性と有効性を証明してから政府の関係機関に評価される。

 

天壇生物はウイルス株を獲得した企業の1つである。

               証券時報ネット 2013-6-6 21:38】

 

 

 

 

 

ヒト感染性H7N9鳥インフルエンザと鶏肉食品

香港食物環境衛生署の食物安全センターは6月4日に、世界動物衛生組織からデンマークのViborg Municipalitにある1か所の禽類養殖所及び、オランダのUtrecht省の1か所の禽類養殖所から低病原性H7鳥インフルエンザの感染が証明されたと発表した。

その日から、この2か所の禽類の肉及び肉製品(卵を含む)を香港へ輸入するのを禁止し、香港内での大衆の健康及び動物の衛生を保障するとした。

食物環境衛生署食物安全センターによると、香港は昨年デンマークから2300tの冷蔵鶏肉と7.8万個の卵を、オランダからは1.7万tの冷蔵鶏肉と130万個の卵を輸入している。センターはデンマークとオランダの当局に連絡をし、継続して世界動物衛生組織から発表される両国の鳥インフルエンザのパンデミックの情報に留意し、発展具合によって適時対応を決定していくとした。

                     人民ネット 2013-6-6  7:20】

 

香港は高病原性H5N1鳥インフルエンザのヒト感染症例が初めて出た場所でもあり、少しでもリスクがあるならば軽減したいということなのでしょう。

自国内だけの状況に目を向けるのではなく、同時に近隣や関係する諸外国ではどのような疫学的背景が現在存在しているのかを把握することも水際対策をするためには非常に大切なことになります。

 

安徽省では6月1日からwet marketが解禁になっております。

上海では4月6日から市内の家禽市場が全封鎖となっており、浙江省も一部の地区だけ4月7日以降閉鎖されていました。

警戒解除が5月10日に行われているので、それ以降は市場も開放されていたようですが、今回のヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの騒動から、上海の家禽市場(wet market)への対応が少し変わってきているようです。

 

【上海政府、季節性インフルエンザ流行期間中はwet marketを封鎖することを決定】

上海政府は『上海市家禽交易管理法(草案)』が5日から公開され、一般の意見の募集を開始した。一般の意見公募は、2004年の鳥インフルエンザから続けられている制度で、上海では家禽市場交易の管理方法としている。

上海はヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの疫学的流行が非常に重かった地区の1つであり、5月31日までに累計で33例の確定診断症例が出ている。

 

上海市家禽交易管理法(草案)』は、上海での鳥インフルエンザ等の疫病疫学的状況を基にして、季節性インフルエンザの評価、予測と警告を行い、家禽市場の交易の禁止措置を取ることを決定した。定点家禽批評市場と家禽交易市場での家禽交易は一定期間禁止となる。

 

4月初旬からH7N9鳥インフルエンザのために家禽市場を閉鎖して以来、6月初旬に上海で冷凍鶏肉の取引が開始されたが、地元民は屠殺をしてから鶏肉を食すという風習がある。上海人の鶏の消費はデータ上は年間1.7~1.8億羽となっており、その中で生きた鶏は1.3億羽である。

 

上海市家禽交易管理法(草案)』では季節周期のある鳥インフルエンザが流行している間に生きた家禽交易を禁止する他に、生きた家禽交易を厳格に規制するとしている。

例えば市内での家禽批評市場の設置、定点での家禽市場以外での家禽交易を禁止する等が挙げられている。

                 【中国新聞ネット 2013-6-5  16:36】

 

 

 

上海では冷凍された鶏肉の販売取引が開始されたようですが、警戒解除された5月10日以降も市場での取引に対する規制が緩和されて、取引が行われていたようです。

しかしながら、そういった現状を踏まえて次の新たなヒト感染性鳥インフルエンザの発生を抑えるべく、今回の条例を作りwet marketの規制を行いたいということなのでしょう。

 

 

安徽省のヒト感染性H7N9鳥インフルエンザ確定診断症例、最後の1例が退院

6月4日の夜、安徽省衛生庁が、安徽省最後の1例が4日に退院したと報告した。

 

≪退院した患者≫

患者:陳(男) 60歳  警備員(発病後、退職)  安徽省天長

来歴:4月10日に発病し、11日より天長市内の病院に入院していた。

   4月15日に滁州市の第一人民病院で治療を受けるために転院。入院時は危篤状態

   で、ARDS(急性呼吸促迫症候群)による呼吸衰弱であった。また基礎疾患とし

   て、①糖尿病、②リュウマチ性関節炎をもっていた。容体が良くなったり悪く

   なったりしており、省市専門家が治療に当たっていたが、安徽省衛生庁は何度

   も省級専門家を派遣して治療指導を行っていた。

   患者が退院する頃には、発熱・酸素吸入の必要が無くなり、血液ルーチン検

   査、血ガス検査、肝・腎機能、電解質平衡が正常に戻ってから1週間が経ってお

   り、4回の咽頭スワブによる反復検査の結果、H7N9ウイルス核酸が陰性であっ

   たため、退院基準を満たした。

 

これまでで、安徽省では累計4例の確定診断があり、そのうち2例が死亡、完全回復が2例であった。4月8日に安徽省政府はインフルエンザ流行緊急予防対策を行った。5月21日、安徽省でのインフルエンザ流行による緊急予防対策を終了している。

                 中国新聞ネット 2013-6-4  23:41】

 

上海で新たな死亡例

上海市の衛生計画生育委員会は、5月31日、新たなヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの確定診断症例はなかったが、死亡例が1例増加したと報告した。

 

≪死亡した患者≫

・沈(男) 59歳  上海

・3月25日に発熱・咳嗽などの臨床症状が出現。

 4月6日の夜に実験室検査でH7N9ウィルス核酸陽性となる。

 5月31日の午後に死亡。

 

これにより、上海では33例の確定診断、うち3例が治療中で、15名が回復し退院、15例が死亡という統計が発表されている。

                   中国新聞ネット 2013-6-2  9:05】

 

 

この症例では発症から死亡まで67日かかりました。

 

北京での2例目の確定診断症例のその後の経過の様子

5月30日、地壇病院からの報告では、北京市の第2例となるヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの確定診断症例の患児、徐君は1回目の咽頭スワブによる検査が陰性であった。

主治医は、連続して2回陰性が出たら退院の基準を満たすと紹介している。もし何事もなければ、病院はこの患児を来週の月曜に退院させるよう手続きを進めている。

 

徐君の身体の状況は継続して良好であり、体温は正常となっている。病室では元気にしている様子が報告されており、臨床症状が特になかったため、投薬をすることはなかった。

感染二科の病室主任の陳志海によれば、患児の状態が非常に良く、入院後はルーチン検査以外の全身の検査を行ったが、今は毎日患児の体温を測って記録することが主な仕事となっているということである。

 

この2例目の症例では、徐君は発病後1週間でもオセルタミビルなどの薬物を使用しておらず、扁桃腺炎の治療を行ったのみであった。また最終体温と身体状況も同様に正常に回復している。この点について、陳志海は、H7N9のようなウィルス感染でオセルタミビルはウィルスの作用を抑えるのが主な効果で後は自然治癒力で回復すると説明している。今の所、患児の心肺等の機能は損傷を受けておらず、各項目の検査結果は好中球の数がやや高かった以外は正常で、これについては体内にまだ残っているウイルスに関係があると考えられる。

                       新華ネット 2013-5-31  8:02】

 

今回のこの症例は発症から回復までが非常に速かったのが特徴でした。

5月21日に発症してから、23日に回復ということでした。

 

今のところは131例の確定診断症例が報告されており、37名が死亡、76名が回復となっているので、まだ18例は入院治療を受けている計算になります。