report.10 H7N9鳥インフルエンザウィルスの来源
福建省衛生庁では、5月3日16時までの報告では、福建省内ではヒト感染性H7N9鳥インフルエンザの確定診断が下りた病例は全部で3例であり、死亡例は無いと発表した。
福建省では3例が報告されたが、うち2例は福州、1例は龍岩であり、いずれも治療中である。龍岩の羅さんと福州倉山の許さんの病態は比較的重いが、バイタルは比較的落ち着いている。
福州福清の遊さんの病態は重く、バイタルも不安定である。
羅さんと密接な接触があった37名は5月2日に医学的観察措置が解除された。許さんの密接な接触者のうち2名が医学的観察措置が解除されたが、残りの19名に関しても異常がない。遊さんの33名の密接な接触者も異常が未だに見られない。
福建省ではヒト感染性H7N9鳥インフルエンザ予防専門チームの人員を25名から101名まで増員した。その内訳は、ERの専門医が63名、中医薬ERの専門家が16名、疫学専門家が22名となっている。専門チームが福建省の鳥インフルエンザの緊急予防案と技術ガイドライン、疫学的防御の指導についてを改訂した。
【アモイネット 2013-5-4 8:37】
福建省の例でも見られるように、各省で今回のH7N9のアウトブレイクへの対応が段々と確立されてきている。また、ウィルスの来源についても中国から論文が出された。
5月1日と3日に「Lancet」と「Science」でH7N9鳥インフルエンザウィルスの来源と、H5N1鳥インフルエンザの伝播メカニズムの研究が発表された。(いずれも中国)
H7N9鳥インフルエンザの来源では、H7N9鳥インフルエンザウィルスは一種の新型のリアソータントウィルスであると研究員が発見し、それは4つの異なる起源のインフルエンザウィルスのリアソータントによって起こっていると発表した。
研究によれば、ウィルスの一種の遺伝子は長江デルタ地区の鴨群の中のH7亜型鳥インフルエンザウィルスに由来しており、このウィルスが高い確率で東アジアを移動している渡り鳥から長江デルタの鴨群にもたらされた可能性がある。
もう一つの遺伝子は中国の渡り鳥が来源の可能性が高く、鴨群が重要な宿主で、これらの野鳥から家禽へと伝播したのだろうとしている。
【新華日報(南京) 2013-5-4 6:34:35】
『Lancet』で『Origin and diversity of novel avian infl uenza A H7N9 viruses causing
human infection: phylogenetic, structural, and coalescent analyses』というタイトルで発表されている。
浙江省では、4日退院予定であった患者は全て無事に退院することができた。
また、上海衛生計画生育委員会が5月3日午後に報告した内容では、3日夕方5時まででは上海では新たな感染者の報告が無かった。さらに4月10日に報告があった上海の76歳女性:馬さんが4日に退院した。
【東方朝刊 2013-5-4 9:50】